2004年7月13日 午後 土砂降りの中 私は車を走らせてた
町じゅう パトカーが走り回り 警官が立ちはだかって 道を塞いでる
『どうやって 辿り着こう・・・』
私は 弁護士に会うために 急いでいた
約束の時間は 迫っていた
その日は 1日中 雨・・・道が川のようだった
私は・・・6月に元夫が消えて 途方にくれていた
失踪後すぐに 前から持ってた書類を 1人で提出し・・・離婚だけは成立してた
『もぅ 自己破産しか ない・・・?!』
元夫失踪前から・・・生活費も無く 督促状と 催促の電話の日々が ずぅっと続いていた
名前ばかりとはいえ 元夫が経営してた会社の 役員でもあった私
こんなことになってからは 借金の取立ての他に 元夫が滞納してた全てのもの・・・
従業員の給料 会社の家賃 電気代 税金 携帯代・・・et cetera・・・
それまで以上に なんでもかんでも 私のところへ請求が来た
事情を聞くために 電話をかけてきた労働基準監督署に同情されるほど・・・酷い状況だ
住んでた家 その家のローンも 取引してた金融機関が破綻し 整理回収機構が管理してた
私は 連帯保証人
そして 爺も 連帯保証人
爺婆の住んでた家・・・つまり私の実家は 元夫が 爺に泣きつき 売ってしまっていた
だから ちょっと前から ローンの残ったその家に 爺婆も一緒に住んでた
そして 実家を売って手に入ったお金のほとんどは 元夫が使ってしまっていた
さて・・・私は 途方に暮れてた・・・
ほんの数年前だけど あの頃は・・・今みたいに 誰もが 弁護士に相談できるという環境はなく
『どなたかの紹介がなければ 先生とお会いになれません』
と・・・弁護士事務所に 言われた
『まず弁護士法律相談を受けて 必要と判断されれば 弁護士を紹介します』
と・・・市役所で言われ 予約を取った・・・
時間は30分のみ 無料 火曜の13時~17時 利用は年1回だけ
弁護士と話せば 何とかなる! そう信じて すがって 約束の場所へ 急いでいた
その日は・・・後から 《7.13水害》 と呼ばれた日だった
(2009年9月21日 夕方撮影・・・日本海)